春と秋。

それは、草木が再び目を覚まし、静かに命を伸ばす季節である。

そんな折、「さて、どの『湖の恵』を使えばよいのか」と迷われたことはないだろうか。

袋のデザインを眺めながら、「どの植物に、どの季節に、どう与えるのが最善か」――

そう思案する時間もまた、園芸の愉しみのひとつであろう。

確かに、理想を言えば、袋をひと目見るだけで全てが分かれば良い。

だが、『湖の恵』はひとつの原料から、完全無添加でつくられた自然の産物。

ゆえに、商品ごとの違いが目に見えにくいのは当然のことなのだ。

あれこれと表記を詰め込めば、たちまち“肥料袋らしさ”が出てしまう。

その無機質さを避け、室内にも映える静かな美を大切にしているのが、この製品の矜持である。

しかしながら、似ているようでいて、その中身には確かな差がある。

ここで語る「添加タイプ」は、春や秋――生長期の追肥用として使うものだ。

まず、「混合タイプ」との違いは粒度にある。

混合タイプが5mmであるのに対し、添加タイプは2mmに整えられている。

木質チップを取り除くことで水草粉末の比率が増し、密度が高まるため、少量でも栄養をしっかり届けることができるのだ。

つぎに、「活力液」との違いは肥料成分である。

添加タイプには、フルボ酸やコリンといった活力成分に加え、植物の三大栄養素――窒素・リン酸・カリウムが含まれている。

さらに、天然の土壌菌も豊富に内包しており、肥料・堆肥・活力剤の三位一体といえる存在である。

ただし、粒が細かいゆえに、土の中では目詰まりしやすい。

したがって、元肥ではなく追肥として表土に撒くのが肝要だ。

細かな分量に悩むよりも、こう覚えておくとよい。

どんな植物であれ、二週間に一度、株元に小さじ1～3杯。

それだけで十分に、根は恵みを受け取り、葉は瑞々しく息づく。

肥料成分と活力成分を高密度に、静かに供給する――

それが「湖の恵」添加タイプの真価である。

厳しい夏や冬を越えるための準備を、この一握りの粒に託してみてはいかがだろうか。

自然の理に寄り添いながら、人の手で湖と植物を、少しずつ、優しくつないでゆく。

それが、「湖の恵」の語る、美しき循環の物語なのだ。